社長のしごと目」カテゴリーアーカイブ

時限は先取りして破るもの

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 ある程度の組織ラインになった人の場合、時限を守るくらいの仕事では、スピードが遅すぎます。 言われた通りの範囲のことをやって、さらに言われたとおりに時限を守る、という仕事を繰り返すなら、そのヒトは要りません(←そのものの意味ではないです)。

 もう一歩踏み込んで、言われた要件を大きく超えたものを、時限すら早取りして結果を出すことに挑んでほしいわけです。 そういうことが出来るようになると、その人が会社の思考や判断を引っ張っていく ”水準” や ”速度” を持っていくようになります。 組織は、こういう人がちゃんと評価されてリーダーになっていかないといけません。

 はじめのうちはどの社員も、時限を定めてやると、その時限をいっぱいに使って、だいたい想定範囲の仕事を仕上げてきます。 ただし、経験を積むほどに軽々と出来るようになっていかないと。 もし同じ時間を使うなら、その余裕を、次のステップへの挑戦に使っていくべきです。

 たとえば、「お、チャレンジしてるな」 と思えば、4日間の時限を約束した場合にも、私は2日後には 「出来たか?」 と聞きます(笑)。 そういう ”迷惑な催促” を、どんどん受けるような人材になっていって欲しいですね。

エレベーターでの話し

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 先週、うちのシステム部のメンバー全員で食事会があったそうです。 新しい開発者の入社もあったので、顔合わせや歓迎の目的もあり、食べて飲んで、楽しい時間を過ごしてきたようです。

 さてその翌日のお昼休み、システム部に所属しているアルバイトスタッフのNさんと、エレベーター内で偶然にいっしょになりました。 そのとき、「昨日はごちそうさまでした」 という言葉をもらったんです。 別に私が参加したわけでもなければ、私がお金を出したわけでもありませんが、彼が自然と、”会社” に言った言葉に違いありませんでした。

 偉いですね。 アルバイトスタッフながら、こういう所属意識と自覚を持って、責任のある仕事に取り組んでくれています。 よくある話しですが、会社という組織に長いこと入り込んでいると、こういう費用認識が ついつい疎くなってしまうもの。 「ごちそうさま」 が言える社員が少なくなっていますね。

 どんなときでも、自分たちのための社用飲食で使われたそのお金が、どこをどのように巡ってきたお金なのか、よく理解しておくことは、とても大事なんです。 こういう人材がうちにそのまま入社してくれたら、どんなにいいでしょう。 いい会社にならなくちゃ。

怖いのか、恐ろしいのか

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 管理者やリーダーは、その仕事上を付き合っていく部下や後輩たちから見て、怖い存在であっていいと思うのですが、恐ろしい存在はダメです。

 似たような表現なので、分かりにくいのですが、”恐ろしい存在” は、それこそ手のつけようがない ”お化け” みたいなものですから、理屈も言い訳も通用しません。 もう逃げた方がいいでしょ。 一方、”怖い存在” は、甘い考えや仕事のミスがあったときに、叱られたり注意されるという性質です。 言う側の理由がはっきりしているし、言われる側も意味が理解でき反省のチャンスも得られます。 愛情も通います。

 リーダーは、相手にとって ”怖さ” に映っているか ”恐ろしさ” に映っているか、自分の言動のひとつ一つに細心の注意をはらっておくことが大事。 追い込み 萎縮させる結果になれば、それはOJTでも何でもありません。

 ちなみに、ここで言っている ”怖い” と ”恐ろしい” ですが、国語の意味的に正しい訳け方なのかどうかは、知らないです(笑)。

「まずは自分だ」と考える

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 どんなに注意していても仕事のなかでミスを起こしてしまうことはあります。 それを全力で復旧させたり挽回したりすることは当たり前な責任の取り方ですが、それに携わる社員たちの気持ちの ”質” や ”高さ” の、有り様(よう)というのにも、リーダーはちゃんとこだわっておかないといけません。

 こういうことが起きた瞬間から、対応処理の最中、そして事後処理、クライアント様へのお詫びや迷惑を掛け協力をしてもらった仲間への感謝、そしてその後の歯止め対策などなど。 その集結に至るまで、リーダーとしての深い責任意識の上に立った言動が必要です。

 リーダーは、こういう仕事の背中をチームの中で当たり前に示していけないなら、だれもそれを学べません。 この繰り返しが、良質なプロフェッショナル集団を築いていきます。

 だから、「こういう組織にしたい」 と本当に思っているなら、まずは自分。 いざというときに、理想どおりの行動と責任が取れるチームになっていないのは、”自分” かも知れないと常に考えることです。 今日は自分の反省もあって、この記事を書きました。 会社のなかで、いま起こることや在ることは、自分そのものを映し出しています。

安くはありませんが

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 見積もり額の比較にばかりに拘るクライアント様が、たまにいます(^^;。 A社はいくら、B社はいくら、インクレイブはいくら。 その結果、今回はB社。 それだけの繰り返しです…。

 今回は、担当している社員に、言いました。 「お取り引き、止めていいよ」。

 生意気な話しで申し訳ないのですが、インクレイブは、見積額だけが評価されたい会社ではありません。 もちろん、”安い” ということは投下経費の節約という点から見ても軽視はできませんが、担当者が伝えようとしている提案力や効果根拠、品質力のようなことに重きがなくて、どこまでいっても、とにかく ”安さ” ということなら、インクレイブは仕事ができません。

 うちは、つねに ”適切な安さ” を提供できるよう、経営努力を続けていく約束はできますが、それを追求するあまり、品質や性能・効果追求のことは 「二の次でいい」 とは考えない会社。 … なので、ある程度、高いです。

本来の満足点と評価点

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 このまえ、クリエイティブ・セクションのメンバーたちを集めて、1時間ほどの方針整合ミーティングを行いました。

 作ることに満足するだけではなく、私たちが制作・開発したメディア媒体が、クライアント様の実際のビジネス現場において、ちゃんと通用していて真の効果をもたらしたのかどうか。 仕事量が大きくなっても、そういう本来の満足点・評価点のところに立った仕事を守っていこうという話しです。

 その結果でクライアント様はもちろん、自分たちの成長や豊かさをも手に入れていくのがプロであり、その平等性を欠くような取り引きに陥れば、会社も個人も良質に発展できません。 その水準を実現させるための運営方針を明文化して、個人の役割とチーム全体の生産システムを見直しました。

 最後に、こう話しました。 「もし、これらの基本方針に自分の仕事観が合わないなら それでも間違いではない。 ただ、インクレイブを辞めて、もっと緩い別な会社を探すか、個人アーティストにでも転身した方がいい」 と。 で、その時の反応はどうだったかというと、みんな笑ってました(^^。 「そりゃそうだ」 というわけです。 こういう連中となら、まだまだ先が描けます。

「私ごとき」の要求の上へ

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 先々週から、一部の組織変更があって、前任管理者から引き継いで私自身も、社内から創出されていく制作物のQC(クオリティ・コントロール)に直接的に携わっていくことになりました。

 こう見えても(?)、社長業だってそれなりに忙しいのですが、そんなことも言っていられないので、とにかく頑張ることに。 久しぶりの現場ですが、第一線にいる制作チームのみんなと仕事をしていくのは、理屈抜きで楽しいものです。 … ま、当の社員たちがどう思っているかは知りません(^^;。

 うるさいのが降りてきたと思っているかも知れませんが、QCに責任をもった以上、分かりやすく言えば、”私がクライアント” です。 クライアント様の持つ高くて複雑な要求を、効果根拠のある ”媒体” や ”戦略” に込めて、お届けするのがうちの仕事。 もっと言えば、効果だって保証してあげたいくらいの話しです。 そんな責任と重要性の高い仕事ですから、外に出される前に立ちはだかる 「私ごとき」 の要求に届かないようでは、クライアント様のところには、とても持っていけません。

 ここを楽しめる制作チームになってもらいたいですね。 その苦労や努力が報われるかどうかは、私やリーダーたちを信じてもらうしかありません。