社長のしごと目」カテゴリーアーカイブ

「時間がない」は、負け言葉

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 モナコ市街地で行われることで有名な自動車レース最高峰「F1」をテレビで観戦しました。 …悔しいことに、トヨタホンダ、なかなか勝てませんね。

 さてさて、レース活動というのは、工場や研究所などの一般的な職場と比較して、技術者たちが数倍の速度で成長していくそうです。 逃げ場のない厳しい競争環境に晒される等、いろいろな要素があるなかで、その最たる要因は 「時間」 だと言われます。

 公正さと安全性を守るためにレギュレーション(規則)に従って、各メーカー毎の独自技術競争があるのが基本ですが、もっとも共通している公平要素は、「時間」 です。 レースの世界は、すべてが時限の上。 技術者たちに 「時間がない」 が通用しません。 限られた同じ時間軸の上で、”必要な良い仕事” が出来たかどうか。 それが結果に繋がるシンプルな世界です。

 うちみたいな制作&開発会社においても、同じ。 時間を度外視することは、同時に予算計画や周辺予定を悪化させる。 仮に、個人が満足するような ”良いモノ” が出来ても、チームとしては負けてしまいます。 じゃあ、「個人の満足か、チームの勝利か」。 私の答えは、明快に「両方とも」です。

”仕事の原点”を振り返って

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今日も1時間前出勤。 始業までの時間を活かして今日は、机の中にしまってあった 「販促宣伝・マーケティング専門書」 を拾い読みしました。

 クライアント様が持つ共通する欲求には、「自社事業(売上げや利益)を計画通りに伸ばしたい」 ということが基本にあります。 それを実現するため、メディア開発やインターネットサービスの専門分野で、当社の持つノウハウ・技術・IT製品を 最大限に活かしていただくことこそが、[インクレイブ] の存立価値に違いありません。

 少部数のチラシであろうと、大規模なウェブ戦略であろうと、販促宣伝・マーケティング手法の基本に照らし、たくさんの引き出し(アイデアやノウハウ、達成技術など)からベストプランを編み出して、クライアント様の貴重な時間を、効率的・効果的に使わせていただくことが大事です。

 そんな ”うちの仕事の原点” が見直せます。 ”基本”って ついつい軽視しがちですが、優れた自分流(オリジナル)は、”理に適った基礎(基本)” のうえに、成立できるもの。 こういう復習も、たまには必要ですね。

社長の存在感が薄いワケ

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 私にかかってくる電話といえば、週に2~3本くらいです。 来客については、週1件あるかないかくらいだと思います。

 クライアント様と打ち合わせで行き来することもありません。 私や取締役連中の方針で、大儀が薄い業界活動とか、思惑を持ち寄るような他社さんとの交流も、好きではないので、そういった機会もありません。 講演依頼は受けません。 取材依頼は内容の公共性や広報性を厳選して、たまに受けます。

 「もっと外に出れば仕事は確実に拡がるのに…」 と言う方もいます。 急成長の他ベンチャー企業なんかを見ていれば、社長は、積極的に現場に出てビジネスチャンスや人脈を拡げ、販路開拓をしていますので、確かにその法則はありそうです。 でも、うちの場合も成長率150%以上(前期比)という結果は ちゃんと出ていますし、まだ このスタンスです。

 経営の各要素ごとに多少のファクターは異なりますが、「継続的な事業成長を果たしていくポイントをどこに置くか」 が、私のこだわり(仕事)。 狙い方や要件に応じた意図があります。 よく ”異端児” 扱いされる会社なのですが、実はちゃんとした考えに基づいていますので、…ご安心を(^^;。

結果が楽しみなTQC活動

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 クリエイティブ・セクションの連中が、このごろミーティングを繰り返しています。 自分たちの仕事状況を見つめ直し、良いところや悪いところの棚卸しをしながら、業務改善を目指しているそうです。

 お願いして、これまでの議事録を見せてもらいましたが、しっかりしたTQC活動の基本を踏んでいるので感心です。 TQC活動は、ただ手法に乗せても、良い内容にはなりません。 問題意識の共有度や課題に向けたベクトルが合っていないと、ここまでの取り組みは出来ないものです。

 会社の仕事(品質や実績)を決めていくほとんどのファクターは、”ヒト” です。 自分たちの主体性や独自アイデアで水準(品質や生産性など)の高い仕事を目指していければ、仕事にやり甲斐が生まれ、チャレンジしていく過程も楽しいものになります。 とうぜん、お客様にも良質な仕事やサービスが届くし、結果的に自分たちの豊かさ向上にも繋がります。

 企業内のこういう自己啓発活動は、確実な結果や効果へと繋がっていくように、大切に育てていかないといけません。

”差”で見るから難しい

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 誰でも自分が常識ラインとか基準だと思っているので、”他人を評価する” という行為は、たいへん難しいです。
 自分だって同じわけで、大した企業経験もなく、しかもこのくらいの半端な年齢で、評価(人事)権を持ち得ていること自体が、ある意味 とても ”危ない” ので、いつも注意しています。

 自分の基準にばかり照らしていくと、他の人が 「ダメな奴だ」 という見方になります。 そもそも、自分の方が上だと考えている時点で、間違っているかも知れないのに、自分を疑おうとはしない性質が、人間にはあります。

 かといって、人事や評価に主体性を持っておかないことは、役割から見ればあまりに無責任過ぎます。 このように、人が他の人を評価するというのは、非常にカンタンではありません。

 「”差” で見ようとするから 難しいんだよ」 とアドバイスしてくれた先輩がいました。 人と人の間にあるのは、”差” ではなく ”違い” なんだ、ということです。 いろんな個性や能力があっていい。 ”差” は排他したくなるけど、”違い” は活かし合えばいい。 以来、私が人や組織を見るときの ”基礎” になっています。 どんな人でも、持っておいて良い考え方ですね。

返してもらえない力

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 社員個々の能力や持ち味、可能性を見て、仕事単位の達成水準にも、ほんのちょっとのチャレンジを求めます。
 果敢に挑戦してプライベートな時間の努力すら惜しまない社員もいます。 中には、上手な言い訳をして逃げちゃう社員も(笑)。 ま、それぞれです。

 このような 「ほんのちょっとのチャレンジ」 は、やり遂げることによって、その社員の力として備わります。 私や上司の私欲ではありません。 なにしろ、備わった力は ”返してはもらえない” ワケですからね。

 一方で、この 「ほんのちょっとのチャレンジ」 は、その社員にとって、”無理命題” になってはいけません。 だから、マネジメント側にも相応のOJT技量が求められます。 失敗しないように起こしたアクションの中で失敗してしまい、次に活きるなら、いい経験です。

 「なかなかうまく出来ないことや失敗は、決して恥ずかしくない。 前に進んでいる証拠なんだ」。 そんな仕事観や組織体質を作っていくことが大事だと考えています。 素晴らしい失敗には、「ナイス・チャレンジング賞」 みたいな表彰があっても いいかも知れません。

使用禁止ワード(第二弾)

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 私の 「使用禁止ワード」 に関する第二弾です (第一弾の記事はこちら)。 今回は、「かなり」 という言葉。

 これも前職時代の上司から使用禁止令が出された言葉です(^^;。 「かなり大変です」 とか 「かなり良い具合です」 みたいに 気軽に使っていたのですが、「ヨシオさん、”かなり” という言葉では、”量” が分からないよ」 と。

 大きな企画開発も 小さな業務改善も、大切なのは、”現状を正しく掴むこと”。 そしてその ”現状” は出来る限り、”量(数値)”要素で掴むことが大事です。 数値要素で ”悪さ加減” を掴むからこそ、目標や理想としての ”目指したい数値” が出てくるわけです。
 現状把握が情緒的だと、その後の目標設定も情緒的になり、仕事の精度は高められません。 また、数値データが伴っていることで、”情緒的” な分析にも根拠が見えてくる効果があることを学びました。

 こんな感じで、先輩たちから言われた私の 「使用禁止ワード」 には、この他にも 「常識だ」 とか 「難しい」 など、全部で 8つくらいあります(^^;。