前職時代、「これ、やるよ」と社長が書いてくれたメモ。ホンダ3代目社長・久米是志さんの「才徳」の話です。古文書物みたいな紙の色になっていますが、いまでも大切に持っています。
読んだときに、「なんで私に書いてくれたのか」は一瞬でわかって、落ち込みました。詳しく話すととても書ききれないのですが、要は「おまえの仕事は悪人のやるそれだ」ということ。
ここで気付かせてもらえなかったら、もっと多くの人たちを傷つけながら独り善がりな仕事や態度で進んでいたと思います。「己を知り、己に失望できるのも能力」と励ましてもくれました。
こういう、古くは先代の先輩方から「伝承」されてきた教えや基本を、自分が継がせてもらって時間を掛けて「もの」にしていく(まだまだその途中ですが)。そして、いまの自分がやっとようやくあります。自分が「伝承」のレベルで自分の「もの」に出来ないことは、先輩方の教えを「伝達」で終わらせてしまう意味となり、ここで途絶えます。こういう責任は本当に重大ですね。
いまは立場が変わっていますが、自分もそうだったころのことは基本として忘れてはいけません。次の人たちへ継いでいく先輩たちは、「才徳バランスのよい愛情」で「伝承」を目指さないといけません。